外人(国際金融資本)たちが、このような為替のヘッジをしていることで、むしろ円安圧力になっていた事実が最近、指摘されている。
うがった見方かもしれないが、こうした外国人投資家の動きこそが、日本人の一般個人(普通の預金者たち)に、リスク資産への投資の自覚を促し、日本国民を外貨建て資産への投資に誘い込んだのである。
銀行や証券会社の外貨建ての金融商品への売り込み努力こうした日本の家計の外貨建て資産は、やがて数年後には起きる米ドルの大幅な下落(ドル暴落)によって大きな損を出すだろう。
この動きは、日本国民の納めた税金が姿を変えた形である、日本政府の持つ外貨準備(フォーリン・リザーブ)や、生保・銀行を中心とする機関投資家の保有米国債と共に、やがて来るべきドル暴落によって、大きな為替差損を生む。
この損害は日本人の対外金融資産が、〃借金棒引き″の憂き目に遭って、大きく喪失してしまうことを意味する。
この事態も避けられないこととしてやがて起きる。
2005年10月に、郵政民営化法が成立した。
このことで340兆円もの郵貯・簡保資金が奪い取られ、米国債投資に向かった。
少なくともすでにそのうちの加兆円の郵貯・簡保の資金が、既に運用委託会社としてのゴールドマンサックスの運用する資金として、一旦はアメリカに移転したはずだ。
そこから上海の金融市場に流れて、中国株式やその他の中国国内の投資に回されている。
その際に、日本円がドル建ての資金に為替で変わるので、そのことでドル買いの需要が起きて、ドルの値段が上がる。
それで〃ドル暴落″は回避され続けるとも分析できるのだ。
郵貯・簡保の資産は、海外へ流出するのだから、それまでの国内の「財政投融資の手法」に従ってやってきたような、日本の国債買いをしなくなっている。
ここに「クラウディング・アウト」(両すくみ)現象が見られる。
日本の国内資産が、米国債を買う(ドル買い)ことで、その分だけ従来どおりには日本国債を買わなくなる。
そうすると、今度は、日本国債(中古の国債市場)が暴落するという危険性が出てくる。
そうなると日本の国力が低下する。
この原因によっても、円相場が暴落する。
このような指摘をする専門家もいる。
この議論も一長一短である。
日本の債券相場(国債値段)が急落すると、そのために長期金利が急上昇する。
2007年7月現在、日本の長期金利は年率1.9%にまで上昇している(P211の図表を参照のこと)。
そうなると、国債を大量に保有している日本の機関投資家、あるいは地方銀行や信金・金庫などの金融機関としては、自分が保有する円債(日本国債)の含み益の減少に慌てて国債を売ろうとする。
そうやって帳簿上で対処しようとする。
そのためにそれに見合った額の保有米国債までも売らなければならなくなる。
日本の機関投資家(大銀行・生保・大手証券)は、50年代前半からずっと、半ば〃強制的に〃大蔵省(現財務省)の意向で、「行政指導」という名の金融護送船団で、有無を言わせず、米国債を大量に買わされ続けた。
その際に、安易にその保有したドル(米国債)を売らないように、「売らないことを約束します」という〃念書〃を大蔵省からとられていると言われている。
その代わり、あれこれ役所に面倒を見てもらっている。
だから、日本の機関投資家は、1985年9月の「プラザ合意」(日米独の政府間の為替密約)からの2年間で、円はドルに対して2倍に跳ね上がった。
1ドル240円は、2年後には120円になった。
そのために、この時、日本側が保有する米国債の評価残高は、半減した。
日本国民が大損したことを意味する。
あの時だけで、約別兆円の日本国民の資金が消えた、と噂された。
日本の金融機関は、あの時と同じことを、今度の迫り来る〃ドル暴落″に対して、今から5年前の1987年と同じように「座して死を待つ」ということをするのだろう今回も、日本財務省あるいは金融庁の言いなりになって、脅されるままに、「何があってもドル資産(保有米国債や、ニューヨーク州債などその他の外債)を売るな」という方針に従って、国民から預かっている大切な資金が、半減するのを、指をくわえて見ているだろうか。
そういう場合に、日本の金融機関は、自社の経営基盤(屋台骨)までが脅かされ、大損の評価損が出るような状況になれば、いくらなんでも「お役所の暗黙の指導」になど従わないかもしれない。
日本の銀行・生保・証券はニューヨークで、暴落を開始する保有米国債を売り払って、たとえ半値(買値が1ドル60円の時だから1ドル別円とか)になってでも売り払って資金を日本国内に戻すことをするのではないか。
いくらなんでも、「何があっても米ドルが世界で一番信用力があるから」などとは、言っていられなくなるだろう。
その時は中国政府が、ニューヨークでドル売り、アメリカの株式を売り、米国債売りを、仕掛けるだろう。
それに追随して、日本も雪崩を打つように、米国債を売るだろう。
その時は、間違いなく世界金融恐慌の始まりである。
数年後に迫っている。
「米国の累積債務残高の8兆ドル(約1000兆円、連邦政府の分だけ。
この他にカリフォルニア州政府の州債やニューヨーク市などの大きな都市が発行している公債が合計で8兆ドル1000兆円分ある)と、日本の累積の公的債務残高9兆ドル(1100兆円)は、お互いが金額で対応しており、見合っている」のである。
これは大きな真実である。
つまり、アメリカの連邦政府が抱えている大借金は、日本政府が押し付になっている。
アメリカは、日本を大赤字国家にして、貧乏国家にして、自分たちの財政赤字を穴埋めしてきたのである。
評論家のM田実氏が言うところの、「日本はアメリカの財布代わりである」論だ。
日本人の金融資産は、過去訓年、ひたすらアメリカに流れ出す形で、アメリカの借金を一肩代わりするために使われてきた。
このことを、金融業界用語で「ファイナンス(融資)する」という。
「アメリカの資金需要を日本がファイナンス(資金充当)してきた」と言うことだ。
日本は対アメリカの債権大国であり、融資大国(金主)であるのに、それなのに、その融資金(貸し金)を返してくれ、とは言えない貧乏国になってしまった。
哀れでみじめなだからアメリカの必要資金は、日本とサウジアラビアからの資金で賄われているのである。
日本がアメリカの国債を買い続けなければ、アメリカはすぐにでも資金ショートしてしまうだろう。
ただし、この事実を日本人で知っている人は少ない。
言ってはならないこと(タブー)けられて作り出してしまった1100兆円の財政赤字(国家大借金)とちょうど見合っているアメリカの連邦政府の抱えている累積の公的債務の借金証書である米国債を日本政府や日本の銀行が売ると決めて、ニューヨークの債券市場で売りに出せば、米国債は暴落するのではないか。
いや必ず大暴落する。
その額は、日本がアメリカに対して持っている総額で今や5兆ドル(600兆円)にもなる米国債(ナショナル・ボンド。
その中心は、年物の米財務省証券〈TB、トレジャリー・ビル〉である)の1%の、500億ドル(6兆円)でも売れば、ニューヨークの債券市場は暴落する。
確実に世界金融恐慌になる。
ところが日本政府も日本の大銀行も、その手は使えない。
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